自分の気持ちに正直に
「この余白、いいですね」
と見た時に感じた感想をそのまま伝えると、
余白があるのはもったいないし「ここも塗ったら?」と思ったけど、
私の感想を聞いて、「余白があることがいいなんて、そんなふうに思ったことなかった!」と目を丸くされてました。
「ここは白いままにしておく」「これでおわり」「絶対おわり!」
とお子さまが自分で完成を決めた絵だったようです。
何もないから自由にイメージを膨らませることができるし、その想像は無限です。
余白は絶対!と言い切る強い意志を尊重することは、その子の世界観を守ることにもつながります。
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スパッタリングがとても綺麗に出ていたので、「細かい粒が綺麗に出てますね。気持ちよさそう。」と声をかけると、
「前回来た時はうまくできなかったけど、今回再挑戦してみたら出来たんです!この、シャカシャカする音も良くて、夢中になってやってました。」
「でも、美術(図工)の時間はほんとに嫌いで、もう苦痛でしかなかったんです。」
これまで、何度かお子さまと参加してくださっていて「大人も描いていいですよ」と前回声をかけたところ、
「いえいえいえ、とんでもない」「私は描けませんから」「苦手なんです」とエビのように後ずさりする勢いだったのが、今回、ご自身で道具を手に取って使ってみて、さらにスポンジでハートまで💕
「先生!わたし、描きました!!」
とってもいい笑顔で報告してくれました。
純粋でキラキラしたまっすぐな目で持ってきてくれたお母さんは、ひとりの小さな女の子に戻ったように見えて思わず、「〇〇ちゃん!」と呼んでぎゅーっと抱きしめたくなりました。
飾ったのもご本人自らです。
描けなかった自分も、描けた自分も全て私!とご自身を受け入れられて、清々しい表情で大事に持ち帰られました。